高等遊民前夜

毎日やっつけエブリデイ

フル自愛

 日曜日。自愛が足りねえ、ということで昨日買ったシャインマスカットを冷蔵庫から引っ張り出し、軽く水で洗って朝から貪った。果物ひとつに980円というのは私にとっては高価だ。スーパーで買うものの値段ではない。でも良いのだ。自愛が足りないから。
 近年では、巨峰よりもシャインマスカットの生産量が増える一方だという。巨峰は、皮を剥かなくてはいけないし、種もあるし、独特の酸味やエグ味がある。(それがいいのだろうが)。シャインマスカットは種はないし、皮ごと食べられる。おまけに巨峰よりも栽培が簡単で手がかからないと聞く。そりゃシャインマスカットのほうが人気がでるよな。個人的には巨峰も好きだからずっと売っていてほしいけど。もうちょっと安くなればなあ。マスカットはその粒も外れなしの圧倒的甘さで、近所の小さなスーパーに売っているやつのおいしさじゃないと驚かされた。

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 季節の果物を食べて生きていきたい。いつも思うけれど果物は高価だ。大学院生のとき、中国や台湾の留学生がみな嘆いていたのは「日本の果物は高い」ということだった。(一方で日本のお菓子は安くて美味しいと喜んでいた。)私にとって果物はデザートにほとんど等しく、食後に食べる果物があると嬉しいけれど、彼らにとって果物は日常の一部で身近なものらしかった。にわかに信じられない感覚だった。一度、台湾の留学生が帰省した際に、大量のライチをお土産に買ってきてくれたことがあって、研究室でみんなで美味しい美味しいと食べたことがある。「でもどうせお高いんでしょ?」というと、その辺で適当に買った一番安いやつと言っていて驚かされた。こんな美味しいものを日本で言うバナナみたいに気軽に買って毎日食べているなんて、と羨ましかったのだ。私が毎日フルーツを食べられたら、今より健康的でスレンダーで、毎日イライラせずに過ごせていたかもしれない。

 午後。ワクチンの副作用から復活した同居人がスーパーに買い出しに行こうと仕切りにいうから一緒に外出する。昨日も買い出ししたのになんだろうと訝っていると、ミスドの出張販売が店頭に来ていた。買い出しの目的はこれか、と妙に納得する。日本にはミスドが好きな人が大半だとは思うけれど、同居人は特にミスドには目がなく、見ようもんなら必ず買う呪いに取り憑かれているようだった。私はチョコリングを買う。同居人はチョコファッションとポンデリングを買っていた。

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 帰宅して、コーヒーをお供にドーナツを食べながら、なんとなくNetflixで最近話題のイカゲームを観た。元文学専攻らしく、話題作はとにかく見る癖が抜けない。同居人も気になっていたらしく隣に来て観ている。念のため説明すると、お金に困っている人たちを集めて、一攫千金の謎のゲームが始まるのだけど、ゲームに脱落した人は殺されて…といったよくあるデスゲームものだ。私も同居人も漫画をめちゃくちゃ読む部類だから、近年流行りのデスゲーム系漫画の知識は無駄にあって、ただの二番煎じじゃゆるさらないからなと意気込んで見ていたけれど、面白かったです。デスゲーム系を見飽きるほど見ている私たちとしては、「デスゲームあるある」みたいなジャンルの王道をしっかり踏襲しているところど、あるあるから外れるところと緩急あってよかった。あと、デスゲーム運営側の裏側を見せたりするところも細かくてよかった。おまけに画面の色合いというか、ポップな色合いだったり建築物の鮮やかさだったり、不穏なシーンで陽気な音楽を流す趣味の悪さも最高だった。薄気味悪いギャグも。やっぱりある程度大衆に支持されているものにはそれなりの理由があるんだなと思った。
 日本にはカイジのようなデスゲーム系作品はいっぱいあるから、二番煎じだと批判の声があるみたいだけど、ちゃんと新しさもあって好感が持てた。安易なデスゲームものじゃなくて、設定や美術、画面作りにめちゃくちゃ意匠を感じた。あとは、やっぱりNetflixの圧倒的予算の力を感じた。ドラマシリーズなのにクオリティにビビる。

 結局1シーズン一気見してしまい、0時過ぎに同居人と考察しながら眠りについた。二人とも黒幕予想は見事に当たり、スッキリした視聴後だった。