高等遊民前夜

ただの日記です。たまに考えごと

風が見つかってしまった

 金曜日。大晦日。朝から大粒のぼた雪が降っている。昨日の夜から実家に帰省中。実家から距離を置いている妹は、今年も風邪だのなんだのと言い訳を並べて帰ってこなかったらしい。実家といっても県内だから帰省感がない。ずっと県内に住んでいるのは愛知県に対して地元愛があるわけではなくて、単に名古屋といい街が丁度いいからだ。東京ほど家賃も物価も高くないし、生活に必要なものは全て揃っているし、東京や大阪へのアクセスもよくて大きな空港もある。名古屋に住み着いてしまうとここから出ていくのが難しいのだ。

 テレビをぼんやり観ていたら、年末ジャンボ宝くじの当落発表の話題になっていて、ああ、そういえば今年は初めて買ったじゃないか、と思い出した。何気に宝くじは人生初。骨の髄まで倹約家だから、宝くじ反対過激派で「宝くじ買うならそのぶん投資したほうがよくない?」が口癖だから、なんとなくこれまで買ってこなかった。今回は人に誘われたから買う。職場で、誰が一番高額当選するかという賭けの遊びがあったから流れに乗ったのだった。と言っても、連番10枚しか買ってないけど。見たら1万円当たっていて、そこそこギャンブラーの才能があるかも知らないなと笑ってしまった。300円は10枚連番で買えばどうせ当たるからなんの感情もなし。3000円で買って1万300円返ってくるのだからまあ上出来ですね。職場の賭けでも私が勝つ気がしてきた。当てたお金は、同居人とちょっと美味しいものを食べるために使おうと思う。

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 これは自認でしかない話だけれど、私はこれまで、人生を変えるほどではないけれどそこそこくじ運には恵まれていると思っている。ライブのチケットを外したことはほとんどないし、福引とかも1等は当たらないけどそこそこの賞が当たる。高校時代に予習し忘れてたページを指名されても、勘で答えたら全問正解していたり、コンビニのスピードくじも狙っているものが大体は手に入る。今回も、当てる額が一万円というのが自分らしいなと思った。どうせなら7億円当てて人生変えたかったよ。くじ運がいい反面、たまに悪い手を引くのもなんとかしたい、異動ガチャとかね。

 私の故郷には娯楽がない。山を切り開いて作った人が住むだけのベッドタウンみたいなものだから、最低限のものしかない。街へは車かバスで行かねばならないけれど、最近はバスの路線が廃線になり、バスに乗るにも遠くない距離を移動する必要がある。そうなってくるとこの町は住人と一緒に歳をとっていく一方で、悲しいくらいに寂れてしまったなと感じた。観光用に整えられた美しい田舎とは程遠い、真の田舎なのだ。去年のブログを見たところ、一年前の私も大体同じ感傷に浸っていて笑ってしまった。 

 もう故郷はここだとしても、自分にとってのホームは名古屋なんだなと痛感した。ただ景色は綺麗。夕焼けを適当にスケッチしたりした。

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 夕方からは紅白歌合戦を観ていた。今年は藤井風とミレパと中村佳穂ちゃんと星野源と事変あたりが目当て。中村佳穂ちゃんは正真正銘のDIVAって感じで圧巻だったしかっこよかった。ミレパが完全に中村佳穂ちゃんの下部って感じで立てているのもリスペクトを感じてよかったです。年々実感しているけど、最近世に出てくるミュージシャンはたたき上げの人たちだから、みんな上手よね。YOASOBIもあいみょんもそう。
 でもでも個人的には藤井風が圧倒的優勝。岡山の実家からという「きらり」の演出は、YouTube出身の藤井風の経歴を思わせる演奏で、安っぽいキーボードを弾きながら打楽器のように叩くスタイルは、無名時代に椎名林檎「丸の内サディスティック」を演奏していたことを彷彿とさせるパフォーマンスで胸が熱くなった。YouTube時代から追っている身としては感無量。実家からのあの感じが藤井風のルーツそのものだから。あのローテクな音が、昭和歌謡を聞いているようで味わい深かったんだよな。そこからのステージへ登場からの「燃えよ」生演奏のサプライズ、整った音響での風の歌唱力、その後のMCでの愛嬌といい、全ての風の魅力が存分に発揮されていた。ついに藤井風がお茶の間に見つかってしまった。もう一部の人だけが知る藤井風ではないのだな。どうか遠くに行ってしまわないでと思う。

きらり

きらり

  • 藤井 風
燃えよ

燃えよ

  • 藤井 風

 除夜の鐘を聴きつつ早々に就寝。田舎の夜は寒い。寒すぎて眠れなくなる前に床についた。